ケアマネジャー

超高齢社会が求める介護保険のスペシャリスト!

ケアマネジャーは、介護保険のスペシャリストとして、介護の現場では欠かせない存在になっています。
年々、介護施設や在宅介護が増え、ケアマネジャーの職域も拡大されており、現在ではケアマネジャーの知名度は着実に上がり、地域の身近な存在として重要となっています。
若手はもちろん、経験を活かして何歳でも仕事が続けられるケアマネジャーの仕事は、今後の超高齢社会に大きな役割を果たす専門職として、さらなる活躍が期待されます。

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ケアマネジャーとは?

ケアマネジャーは、正式名称を「介護支援専門員」と言い、略してケアマネとも呼ばれています。


利用者が最適な介護サービスを受けられるように、幅広くサポートを行うのがケアマネジャーであり、介護保険制度に基づいて、要介護認定の申請代行や介護報酬の給付管理、要介護認定を受けた方に対してのケアプラン(サービス計画)作成など、様々な業務を行います。

ケアマネジャーには、利用者と介護サービス・医療の現場をつなぐ調整役としの重要な役割が期待されており、介護のサービスが多様化する現在において、介護保険のスペシャリストであるケアマネジャーのニーズは高まっています。
また、介護福祉士がキャリアアップのために資格を取得したり、看護師などの医療従事者が訪問看護など職域の幅を広げるために取得するケースも多く見られます。


介護保険に関するスペシャリストケアマネジャー


※ケアマネジャーになるためには、ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格する必要があります。

ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーの業務

ケアマネジャーの活躍の場は、主に在宅介護を支援する「居宅介護支援事業所」で働く場合と、「特別養護老人ホーム」などの介護施設で働く場合が多く、利用者が最適な介護サービスを受けられるようにするため、下記のような業務を行っています。


  • (1)要介護認定の申請や更新の手続き代行・訪問調査
  • (2)ケアプランの作成・管理
  • (3)相談業務
  • (4)給付管理
  • (5)利用者と介護サービス提供事業所との調整
  • (6)介護サービス状況の確認(モニタリング)
  • (7)その他

(1)要介護認定の申請や更新の手続き代行・訪問調査

要介護認定の申請を高齢者や家族に代わってケアマネジャーが作成し、申請を代行します。
また、市町村から委託を受けて、申請者の自宅を認定調査員として訪問し、申請者の心身の状態を確認します。

(2)ケアプランの作成・管理

介護サービスを利用する際に必要なケアプランの作成です。
ケアプランとは介護サービスのスケジュール表と考えてもらえればイメージがつくかと思います。ケアプランの作成はケアマネジャーにとって重要な業務のひとつです。
自立した生活を送れるように、支援する上での課題を把握する「アセスメント(課題分析)」を行い、目標を利用者と一緒に設定した上でケアプランを作成し、達成状況を定期的に観察して把握します。

(3)相談業務

サービスを利用したい高齢者やその家族からの相談に乗り、適切なアドバイスや支援の準備を行います。

(4)給付管理

支払限度額の確認と利用者負担額の計算を行います。
介護保険サービスの利用で発生する介護給付費の利用票や管理票の作成・提出は、基本的にケアマネジャーが行う重要な業務です。
事業所に介護給付が行われるように、国民健康保険団体連合会に書類を提出します。

(5)利用者と介護サービス提供事業所との調整

「アセスメント(課題分析)」で明らかになった問題に対応するため、利用者とサービス提供事業所を繋ぐ調整役の役割も求められます。
ケアマネジャーが、事業者や施設、介護サービスの内容といった情報を利用者に提供することで、その利用者が最適な介護サービスを受けられるよう、サポートします。
利用者が事業所に要望やクレームを直接言いづらい場合には、ケアマネジャーが代弁して事業所に意見を伝えたりします。
また、反対に事業所の考えをケアマネジャーが利用者に伝えたりもします。

(6)介護サービス状況の確認(モニタリング)

介護サービスの利用開始後は、定期的に利用者とサービス事業所を訪問して、モニタリングを行います。
現状のケアプランが最適であるか、目標が達成できているか、不満はないかなどの評価を行い、状況によってはケアプランの見直しを行う場合もあります。

(7)その他

その他、食事に困っている方への宅配食の紹介、生活困窮者への生活保護申請の補助、住宅改修の手配などを代行する事もあり、利用者の生活全般をサポートします。
また、施設利用者とその家族の連絡・調整や高齢者などに地域活動の参加を促すこともあります。

ケアマネジャーの活躍の場

居宅ケアマネとして「居宅介護支援事業所」で働く!

利用者のケアプラン作成はもちろん、モニタリングのために自宅訪問を行い、利用者やその家族と介護サービス提供事業所との連絡調整役を行います。
居宅のケアマネジャーは事業所に出勤するので、基本的には利用者の身体介護などを行うことはほとんどありませんが、担当する利用者の自宅訪問が頻繁にあるので、1日の中での移動が多くなります。
また、宅配食、住宅改修などの手配を代行する事もあり、利用者の生活全般をサポートします。

施設ケアマネとして「介護施設」で働く!

介護施設の入居者のケアプラン作成をメインに、介護職員へのケアプランの指導などを行います。
居宅のケアマネジャーと違い、多くの利用者を担当するので、書類作成などの事務作業を的確にスピディーに行うスキルが求められます。
職場により、ケアマネジャーの業務以外に現場の介護業務を兼任することもあります。
また、地域包括支援センターといった施設で、地域の高齢者のさまざまな相談を受ける仕事もあります。介護についてだけではなく、成年後見制度や高齢者虐待などに関する相談もあり、幅広い知識が必要になります。

ケアマネジャー取得のメリット

取得するとこんなメリットがあります!

  • 介護職員と比べて、一般的にケアマネジャーの給与が高く設定されています。
  • 介護業務を行う介護職員は体力を必要としますが、ケアマネジャーは基本的に事務的な業務が多く、夜勤のない働き方を選べるため、体力が衰えても働き続けることが可能です。
  • 昼間の仕事がメインで、介護職員としての業務を行わなければ、業務量や勤務時間の調整により、家庭生活との両立がしやすい仕事です。
  • ケアマネジャーの実務経験があれば、ケアマネジャーの資格=専門知識やスキルが評価されるので、就職や転職にも有利になるでしょう。

ケアマネジャーになるには

ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受験するには受験資格が必要です。

受験資格には、以下の条件のいずれかに該当する必要があります。
・法定資格を持ち、資格にもとづく業務の実務経験がある
・介護、福祉、障がい者支援施設等で相談援助業務の実務経験がある


国籍、性別、年齢、学歴等の制約はありませんが、受験資格になっている法定資格の中には高卒・大卒以上が必要なものもあります。また、実務経験や必要資格からみると、学生や未成年の方は事実上取得することができません。

その他、未経験からでもケアマネジャーになるルートがあり、主なものとして以下の3つがあります。


法定資格+実務経験ルート:法定資格を持ち、資格に基づく業務の経験がある。/法定資格の種類・医師・歯科医師・医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士 ・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・管理栄養士・精神保健福祉士 施設での実務経験ルート:介護、福祉、障がい者支援施設等で相談援助業務の実務経験がある/相談補助業務の対象・生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員)  未経験ルート/実務経験3年+実務者研修取得+介護福祉士取得+実務経験5年


詳しくは、「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」の「介護支援専門員」のページをご参考ください。