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わかって合格る宅建士シリーズ
2023年度本試験の分析と今後の対策
「2023年度本試験の分析と今後の対策」は、2023年12月下旬より公開予定です。
2023年度宅建士本試験での分野ごとの「合格ライン」
皆さんご存知のように、2023年11月21日(火)に公表された2023年度宅建士本試験における全体の合格点は、36点/50問でした。
それでは、合格者の方が得点された科目ごとの得点の内訳はどうだったでしょうか?その傾向分析は、特に「民法等」「宅建業法」を中心とした合格戦略を立てるのに役立ちますから、ここでしっかり見ておきましょう。
1.「民法等」
2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格点 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 | 36/50 | 36/50 |
「民法等」の合格ライン | 9/14 | 9/14 | 6/14 | 7/14 | 7/14 | 8/14 | 7/14 |
TAC宅建士講座の分析による最終データに基づく「民法等」分野での出題の難易度は、簡単なAランクの問題(正答率が70%以上の問題)は、昨年と同様4問、中間の難易度のBランクは昨年と同様7問、難問であるCランクの問題(正答率が40%未満の問題)は、昨年と同様3問でした。
以上のように、ここでの出題の難易度としては、昨年とほぼ同じレベルといえ、「民法等」での合格ラインは、7点程度でした。
ところで、この分野の出題に関しては、特徴的な工夫がなされています。まず、「①事例問題」は今年も8問出題され、依然、この分野の典型的な出題パターンとなっています。 また、読解力や論理的・法的思考力にかかわる「②判決文型の問題」は他の分野にないタイプの出題ですが、16年連続して出題されています(ただし、2020年12月の本試験では、出題なし)。これらの出題への対策は、皆さん大いに気になるところでしょう。まず、「①」。「民法等」に関して、「条文を抽象的に知っている」「覚えている」ことではなく、具体的につかんでいるかどうかをたずねていることは明らかですね。次に、「②」ですが、当然、記憶力を試すものではありません。私は、②の出題は、現行の民法をきちんと理解した上で、筋道を立てて物事を考えていく力を持っているかをたずねているのではないかと考えています。
ですから、出題の形式上の変化に惑わされず、そして単なる暗記に走らず、本来の試験対策である「合格に不可欠な事項についての具体的な理解を中心とする学習」(手前味噌ですが、これが「わかって合格る」学習です)を、2024年度の合格のために進めていくことを、強くお勧めします。
ところで、この分野の出題に関しては、特徴的な工夫がなされています。まず、「①事例問題」は今年も8問出題され、依然、この分野の典型的な出題パターンとなっています。 また、読解力や論理的・法的思考力にかかわる「②判決文型の問題」は他の分野にないタイプの出題ですが、16年連続して出題されています(ただし、2020年12月の本試験では、出題なし)。これらの出題への対策は、皆さん大いに気になるところでしょう。まず、「①」。「民法等」に関して、「条文を抽象的に知っている」「覚えている」ことではなく、具体的につかんでいるかどうかをたずねていることは明らかですね。次に、「②」ですが、当然、記憶力を試すものではありません。私は、②の出題は、現行の民法をきちんと理解した上で、筋道を立てて物事を考えていく力を持っているかをたずねているのではないかと考えています。
ですから、出題の形式上の変化に惑わされず、そして単なる暗記に走らず、本来の試験対策である「合格に不可欠な事項についての具体的な理解を中心とする学習」(手前味噌ですが、これが「わかって合格る」学習です)を、2024年度の合格のために進めていくことを、強くお勧めします。
2.「宅建業法」
2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | 2022年 | 2023年 | |
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合格点 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 | 36/50 | 36/50 |
「宅建業法」の合格ライン | 15/20 | 17/20 | 17/20 | 17/20 | 16/20 | 17/20 | 17/20 |
難易度としては、この分野では、Aランクの問題は昨年の本試験より1問増えて16問、Bランクは1問減って3問、Cランクは昨年と同じ1問でした。「宅建業法」の合格ラインは、17点程度です。
この分野で近年毎年出題されている「個数問題」は、7問となり(例年よりやや増加)、また、昨年の本試験で出題されなかった「組合せ問題」は、今年も出題されませんでした。免許制度等の「開業規制」の出題数よりも「業務上の規制」の方が多いのが最近の出題傾向であり、「開業規制」からの出題は、昨年の本試験と同様4問になっています。
また、近年の改正点については、5問10肢出題されました。2024年度の対策においても、引き続き最新・最近の法改正論点には注意が必要です。
さて、「個数問題」は、ここ6年間、6問→4問→5問→5問→5問→7問と出題数が変化していますが、いずれにしても、「宅建業法」において、「個数問題」は出題の定番になったといえます。 ところで、「個数問題」は、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できません。その結果、この出題形式は、基本的に正答率を引き下げます。 それでも、「個数問題」が例年4~7問出題されていることを考えると、2024年の本試験においても、このタイプの出題数が極端に減ることはないと予想されます。 ですから、宅建業法の4分の1を占めるといえる、「個数問題」対策を怠ってはなりません。
「個数問題」は、先に述べたように、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できませんから、あいまいな知識や理解は” 合格の敵 ”、知識の確実性に努めましょう。
この分野で近年毎年出題されている「個数問題」は、7問となり(例年よりやや増加)、また、昨年の本試験で出題されなかった「組合せ問題」は、今年も出題されませんでした。免許制度等の「開業規制」の出題数よりも「業務上の規制」の方が多いのが最近の出題傾向であり、「開業規制」からの出題は、昨年の本試験と同様4問になっています。
また、近年の改正点については、5問10肢出題されました。2024年度の対策においても、引き続き最新・最近の法改正論点には注意が必要です。
さて、「個数問題」は、ここ6年間、6問→4問→5問→5問→5問→7問と出題数が変化していますが、いずれにしても、「宅建業法」において、「個数問題」は出題の定番になったといえます。 ところで、「個数問題」は、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できません。その結果、この出題形式は、基本的に正答率を引き下げます。 それでも、「個数問題」が例年4~7問出題されていることを考えると、2024年の本試験においても、このタイプの出題数が極端に減ることはないと予想されます。 ですから、宅建業法の4分の1を占めるといえる、「個数問題」対策を怠ってはなりません。
「個数問題」は、先に述べたように、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できませんから、あいまいな知識や理解は” 合格の敵 ”、知識の確実性に努めましょう。
3.「法令上の制限」
2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | 2022年 | 2023年 | |
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合格点 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 | 36/50 | 36/50 |
「法令上の制限」の合格ライン | 5/8 | 6/8 | 6/8 | 5/8 | 6/8 | 5/8 | 6/8 |
「法令上の制限」における難易度は、昨年の本試験よりもAランクの問題が3問増加し7問、Bランクの問題が1問減少し1問、Cランクの問題が2問減少し0問となり、「法令上の制限」の合格ラインは、6点程度でした。
昨年の本試験と同様、「個数問題」の出題はありませんでしたし、「組合せ問題」も出題されませんでした。また、「その他の制限法令」からの出題もなく、主要6法令からの出題に限定されました。
しかし、正解肢で基本知識を問う問題が増えたため、「法令上の制限」の分野の難易度は、昨年の本試験よりも易しくなったといえるでしょう。合格ラインは高めです。
昨年の本試験と同様、「個数問題」の出題はありませんでしたし、「組合せ問題」も出題されませんでした。また、「その他の制限法令」からの出題もなく、主要6法令からの出題に限定されました。
しかし、正解肢で基本知識を問う問題が増えたため、「法令上の制限」の分野の難易度は、昨年の本試験よりも易しくなったといえるでしょう。合格ラインは高めです。
4.「その他関連知識」
2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格点 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 | 36/50 | 36/50 |
「その他関連知識」の合格ライン | 6/8 | 6/8 | 7/8 | 5/8 | 5/8 | 6/8 | 6/8 |
「その他関連知識」の分野における難易度は、Aランクの問題が昨年の本試験より2問減少して4問、Bランクの問題が、2問増加して4問、Cランクの問題が昨年と同じ0問となった結果、ここでの合格ラインは、6点程度となり、昨年同様高めとなりました。
「法令上の制限」と同様、「個数問題」も「組合せ問題」も、ともに出題なしでした。そして、地方税に関しては、「不動産取得税」から出題され、国税については、「印紙税」からの出題でした。価格の評定に関しては、「不動産鑑定評価基準」からの出題となりました。
なお、「5問免除科目」では、出題数5問のうち5問ともA・Bランクの問題であり、5問免除がない受験生にとっての負担は、予想の範囲内と考えられます。
「法令上の制限」と同様、「個数問題」も「組合せ問題」も、ともに出題なしでした。そして、地方税に関しては、「不動産取得税」から出題され、国税については、「印紙税」からの出題でした。価格の評定に関しては、「不動産鑑定評価基準」からの出題となりました。
なお、「5問免除科目」では、出題数5問のうち5問ともA・Bランクの問題であり、5問免除がない受験生にとっての負担は、予想の範囲内と考えられます。
5.これからの学習に向けて
冒頭で見たように、全体の合格点は、36点でした。
そして、50問中、Aランク・Bランクの問題が合計46問と実に90%以上を占め、特に、Aランクの問題は合計31問でした。これらの事実は重要です。つまり、合否の分かれ目は、A・Bランク、特に、基本的で重要なAランクの問題をしっかり得点できたかどうかにかかっているのです。
したがって、2023年度の本試験分析を踏まえた今後の対策は、次のとおりです。
(1) まずは、Aランクの問題を得点できるように、頻出基本項目をよく確認して、徹底的に、そして確実にマスターしてください。じっくり時間をかけて、基礎から理解することが重要です。そのことは、同時に、実はほとんどが基本問題の肢によって構成されている「Bランク」の問題への対策となり、また、複雑な「事例問題」や、さらに知識の確実性が要求される「個数問題」への対策ともなるはずです。
(2) 次に、過去問の攻略です。宅建士試験では、過去に出題されたものと同じ知識が何度も出題されます。こんな場合、その事項は、Aランクの重要事項と重なってきます。だからこそ、誰もが過去問を検討するのです。
つまり、過去問の攻略なしに、合格はあり得ません。
(3) さらに、宅建業法は、徹底的に準備をしておく必要があります。この科目が、「イマイチ」という出来では、合格は難しいとお考えください。「宅建業法」は、試験全体の出題数の40%を占めており、多くの受験生が、必ず重点をおいて学習するからです。さらに、先に見たように、2023年度のこの科目の合格ラインは17点でした。このような出題のときは、宅建業法は、Aランクの出題の集合体であるといってよいでしょう。つまり、宅建業法の得点が合否に直結し、決定的な影響を与えます。36点という、得点率7割以上の高い合格点に到達するには、宅建業法で満点近くをとることが不可欠です。特に、出題頻度の高い事項を中心に、過去問を通じて、完璧なマスターを心がけましょう。
したがって、2023年度の本試験分析を踏まえた今後の対策は、次のとおりです。
(1) まずは、Aランクの問題を得点できるように、頻出基本項目をよく確認して、徹底的に、そして確実にマスターしてください。じっくり時間をかけて、基礎から理解することが重要です。そのことは、同時に、実はほとんどが基本問題の肢によって構成されている「Bランク」の問題への対策となり、また、複雑な「事例問題」や、さらに知識の確実性が要求される「個数問題」への対策ともなるはずです。
(2) 次に、過去問の攻略です。宅建士試験では、過去に出題されたものと同じ知識が何度も出題されます。こんな場合、その事項は、Aランクの重要事項と重なってきます。だからこそ、誰もが過去問を検討するのです。
つまり、過去問の攻略なしに、合格はあり得ません。
(3) さらに、宅建業法は、徹底的に準備をしておく必要があります。この科目が、「イマイチ」という出来では、合格は難しいとお考えください。「宅建業法」は、試験全体の出題数の40%を占めており、多くの受験生が、必ず重点をおいて学習するからです。さらに、先に見たように、2023年度のこの科目の合格ラインは17点でした。このような出題のときは、宅建業法は、Aランクの出題の集合体であるといってよいでしょう。つまり、宅建業法の得点が合否に直結し、決定的な影響を与えます。36点という、得点率7割以上の高い合格点に到達するには、宅建業法で満点近くをとることが不可欠です。特に、出題頻度の高い事項を中心に、過去問を通じて、完璧なマスターを心がけましょう。
『わかって合格る宅建士 基本テキスト』著者 木曽陽子講師がレクチャー
2021年度本試験の分析と今後の対策【12月実施分】
2021年度宅建士本試験(12月実施分)での分野ごとの「合格ライン」
皆さんご存知のように、2022年2月9日(水)に公表された2021年度宅建士本試験(12月実施分)における全体の合格点は、34点/50問でした。10月の本試験と同じ合格ラインです。
それでは、合格者の方が得点された科目ごとの得点の内訳はどうだったでしょうか?その傾向分析は、特に「民法等」「宅建業法」を中心とした合格戦略を立てるのに役立ちますから、ここでしっかり見ておきましょう。
1.「民法等」
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | |
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合格点 | 35/50 | 37/50 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 |
「民法等」の合格ライン | 8/14 | 8/14 | 9/14 | 9/14 | 6/14 | 7/14 | 7/14 |
TAC宅建士講座の分析による最終データに基づく「民法等」分野での出題の難易度は、簡単なAランクの問題(正答率が70%以上の問題)は、昨年の2021年度10月実施の本試験と同じ4問、中間の難易度のBランクの問題も同様に6問、また、難問であるCランクの問題(正答率が40%未満の問題)も、昨年の10月本試験と同じ4問でした。 以上のように、ここでの出題の難易度としては、10月実施の本試験とほとんど変わらず、「民法等」での合格ラインは、7点程度でした。
ところで、この分野の出題に関しては、特徴的な工夫がなされています。一時期減少していた「①事例問題」は、依然、この分野の典型的な出題パターンとなっていますが、今回は2021年10月本試験より3問減少して6問の出題でした。ただ、この変化は、問題の制作時間が少なかったことから生じたに過ぎないと思われます。また、読解力や論理的・法的思考力にかかわる「②判決文型の問題」は、2020年12月の本試験では出題されませんでしたが、2021年10月本試験と同様、今回は出題されました。したがって、これらの出題への対策は、今年も怠ってはいけません。まず、「①」。「民法等」に関して、「条文を抽象的に知っている」「覚えている」ことではなく、具体的につかんでいるかどうかをたずねていることは明らかですね。次に、「②」ですが、当然、記憶力を試すものではありません。私は、②の出題は、現行の民法をきちんと理解した上で、筋道を立てて物事を考えていく力を持っているかをたずねているのではないかと考えています。
ですから、出題の形式上の変化に惑わされず、そして単なる暗記に走らず、本来の試験対策である「合格に不可欠な事項についての具体的な理解を中心とする学習」(手前味噌ですが、これが「わかって合格る」学習です)を、2022年度の合格のために進めていくことを、強くお勧めします。
2.「宅建業法」
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格点 | 35/50 | 37/50 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 |
「宅建業法」の合格ライン | 15/20 | 15.5/20 | 15/20 | 17/20 | 17/20 | 17/20 | 16/20 |
難易度としては、この分野では、Aランクの問題が昨年の10月実施の本試験より4問減少して12問、Bランクの問題は昨年の10月本試験より5問増えて8問、Cランクの問題は昨年の10月本試験より1問減少し、今回はありませんでした。「宅建業法」の合格ラインは、16点程度です。
この分野で近年毎年出題されている「個数問題」は、昨年の10月実施の本試験と同様5問出題され(例年並み)、また、10月本試験で出題されなかった「組合せ問題」は、今回は1問出題されました。免許制度等の「開業規制」の出題数よりも「業務上の規制」の方が多いのが最近の出題傾向であり、「開業規制」からの出題は、10月本試験と同じ6問になっています。
また、改正点については、重要な改正点を問う問題が2問出題され、10月本試験より1問増加しました。今年も多くはありませんが改正点がありますので、2022年度の対策においても、引き続き最新・最近の法改正論点には注意が必要です。
さて、「個数問題」の出題数は、ここ3年間、6問→4問→5問→5問→5問となっており、「宅建業法」において、「個数問題」は出題の定番です。 ところで、「個数問題」は、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できません。その結果、この出題形式は、基本的に正答率を引き下げます。それでも、「個数問題」が例年5~6問出題されていることを考えると、2022年の本試験においても、このタイプの出題数が極端に減ることはないと予想されます。 ですから、宅建業法の4分の1を占めるといえる、「個数問題」対策を怠ってはなりません。
「個数問題」は、先に述べたように、すべての肢がきっちり判断できなければ正解できませんから、あいまいな知識や理解は“合格の敵”、知識の確実性に努めましょう。
3.「法令上の制限」
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格点 | 35/50 | 37/50 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 |
「法令上の制限」の 合格ライン |
6/8 | 7/8 | 5/8 | 6/8 | 6/8 | 5/8 | 6/8 |
「法令上の制限」における難易度は、昨年の10月実施の本試験と同様Aランクの問題が4問、Bランクの問題は昨年の10月本試験より2問増えて4問、Cランクの問題は10月本試験より2問減少して該当するものはなく、「法令上の制限」の合格ラインは、概ね6点程度でした。
昨年の10月本試験と同様、「個数問題」の出題はありませんでしたし、「組合せ問題」も出題されませんでした。また、「その他の制限法令」からの出題もなく、主要6法令からの出題に限定されました。
詳細な内容を問う問題は少なく、「法令上の制限」の分野の難易度は、昨年の10月本試験よりやや易しかったといえるでしょう。この5年間で見ても、合格ラインは平年並みです。
4.「その他関連知識」
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年10月 | 2020年12月 | 2021年10月 | 2021年12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
合格点 | 35/50 | 37/50 | 35/50 | 38/50 | 36/50 | 34/50 | 34/50 |
「その他関連知識」の 合格ライン |
6/8 | 6.5/8 | 6/8 | 6/8 | 7/8 | 5/8 | 5/8 |
「その他関連知識」の分野における難易度は、Aランクの問題が昨年の10月実施の本試験と同様3問、Bランクの問題は昨年の10月本試験より1問増えて5問、Cランクの問題は昨年の10月本試験より1問減少して出題されなかった結果、ここでの合格ラインは5点程度となり、例年より低いものでした。
「法令上の制限」と同様、「個数問題」も「組合せ問題」も、ともに出題なしでした。そして、地方税に関しては、順当に「固定資産税」から出題され、国税については、一昨年の12月本試験と同様「登録免許税」からの出題でした。価格の評定に関しても、予想に違わず「地価公示法」からの出題となりました。
なお、「5問免除科目」では、出題数5問のうち3問がAランクの問題であり、5問免除がない受験生にとって、負担はあまり大きくなかったと考えられます。
5.これからの学習に向けて
冒頭で見たように、全体の合格点は、34点でした。 そして、50問中、Aランク・Bランクの問題が合計46問と実に90%以上を占め、特に、Aランクの問題は合計23問でした。これらの事実は重要です。つまり、合否の分かれ目は、A・Bランク、特に、基本的で重要なAランクの問題をしっかり得点できたかどうかにかかっているのです。
したがって、2021年度(12月実施分)の本試験分析を踏まえた今後の対策は、次のとおりです。
- (1) まずは、Aランクの問題を得点できるように、頻出基本項目をよく確認して、徹底的に、そして確実にマスターしてください。じっくり時間をかけて、基礎から理解することが重要です。そのことは、同時に、実はほとんどが基本問題の肢によって構成されている「Bランク」の問題への対策となり、また、複雑な「事例問題」や、さらに知識の確実性が要求される「個数問題」への対策ともなるはずです。
- (2) 次に、過去問の攻略です。宅建士試験では、過去に出題されたものと同じ知識が何度も出題されます。こんな場合、その事項は、Aランクの重要事項と重なってきます。だからこそ、誰もが過去問を検討するのです。
つまり、過去問の攻略なしに、合格はあり得ません。 - (3) さらに、宅建業法は、徹底的に準備をしておく必要があります。この科目が、「イマイチ」という出来では、合格は難しいとお考えください。「宅建業法」は、試験全体の出題数の40%を占めており、多くの受験生が、必ず重点をおいて学習するからです。さらに、先に見たように、2021年度(12月実施分)のこの科目の合格ラインは16点でした。このような出題のときは、宅建業法は、Aランクの出題の集合体であるといってよいでしょう。つまり、宅建業法の得点が合否に直結し、決定的な影響を与えます。そして、50問中34点という、7割近い合格点に到達するには、宅建業法で満点近くをとることが不可欠です。特に、出題頻度の高い事項を中心に、過去問を通じて、完璧なマスターを心がけましょう。
著者 木曽陽子講師がナビゲート!
2024年度版『わかって合格る宅建士 基本テキスト』
「はじめて」でもこれでわかって合格る!
「過去問網羅率100%」&「はじめての方も安心」の工夫で、宅建士試験に立ち向かうみなさんを徹底応援します!
本書の3大特長
- ●過去問網羅率100%&最新本試験補充論点Webダウンロードサービス
→過去問の答えがわかる! - ●過去12年分の本試験出題箇所に出題年度表示
→本試験でどこが出たかがわかる! - ●『まずはここから! はじめて論点表』&『はじめてアイコン』
→最初にどこから勉強すればいいかがわかる!
- 1.過去問網羅率100%&補充論点Web DLサービス
-
直近5回分(令和2年度10月・12月、令和3年度10月・12月、令和4年度)で出題された問題については、本書だけで全問の正解が導けるように記載。
また、令和5年度の最新本試験で新たに加わった論点については『令和5年度本試験 補充論点Web ダウンロードサービス』でご提供します。
つまり、最新の本試験傾向に基づく問題なら、この1冊で全部解くことが可能です。 - 2.過去12年分の本試験出題箇所に出題年度表示
-
平成24年度から令和4年度の本試験で出題された箇所は、書籍内で出題年度を表示。
最新の『令和5年度本試験 補充論点Web ダウンロードサービス』を併せて利用すれば、過去12年分の本試験出題箇所がまるわかりです。 - 3.『はじめて論点表』&『はじめてアイコン』
-
宅建士試験はとても幅広い範囲から出題されます。
そこで本書では、『まずはここから! はじめて論点表』&『はじめてアイコン』で、初学者の方が「まずどこから勉強すればよいか」をお知らせしています。
これらは宅建士試験では特に重要な、基本的かつ必須の項目ばかりですので、これらを中心に学習を進めていくことで、無理なく理解が深められると同時に、合格に必要な基礎力を身につけることができます。
わかって合格る宅建士 基本テキスト準拠講義 速攻マスターDVD
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試験のポイントをわかりやすく&しっかり解説!
TAC宅建士講座専任講師で、「わかって合格る宅建士 基本テキスト」著者の木曽陽子講師が本DVDの講義を担当。長年、多くの受験生から高い評価を得てきた経験をもとに、法律の勉強がはじめての方にもわかりやすく講義します。
もちろん「わかって合格る宅建士 基本テキスト」と完全リンク。「基本テキスト」と併せて学習することで、より理解が深まります。
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- ※DVD収録枚数:約2.5時間×8枚
- ※本DVDは「TAC宅建士独学道場 わかって合格るコース」の使用教材です。
プロフィール
早稲田大学政経学部卒業後、大手金融機関に勤務。同大学法職課程を経た後、長年宅建士試験等の資格試験を中心とした法務研修に携わる。現在、TAC宅建士講座主任講師として、多くの受験生を合格に導くべく活躍中。合格された受講生の方々とは、その後も10年を超えるお付き合いの中で、さまざまな情報交換を兼ねて盃を交わす。その瞬間が「講師冥利に尽きる」。
わかって合格る宅建士 独学合格!スタートガイド
『わかって合格る宅建士 基本テキスト』著者 木曽講師による「わかって合格る宅建士シリーズ」の活用方法とほかにはない書籍の特長をご紹介!
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- 暗記のための反復学習も簡単です。
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- 持ち運びに便利な4分冊形式です。
2024年度版『わかって合格る宅建士 一問一答セレクト1000』
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すき間時間で手軽に基礎力養成ができる『わかって合格る宅建士 一問一答セレクト1000』。
1. まず結論から
2. そのうえで、問われている論点を詳細に深掘り
という解説形式のため、わかりやすくスピーディに解き進められます。もちろん掲載したすべての問題は、学習効果を考えて過去問から選び抜いたものばかり。頻出&重要論点の問題で、本試験の出題範囲を徹底的に網羅しています。
【本書の特長】
- ◆全分野の頻出&重要論点を最短時間で一気に制覇
- すべて過去問から厳選した1000肢=1000問で、本試験で出題される内容を徹底的にカバーしています。
- ◆赤シート対応
- 暗記のための反復学習も簡単です。
- ◆アイコン、問題ごとの重要度
- 〔覚える〕〔理解〕〔ひっかけ〕〔比較〕といったアイコンで、その問題でなにを理解し覚えるべきかをお知らせしています。各問題の重要度も3段階で表示していますので、参考にしてください。
- ◆問題文に下線
- 正誤判定の際、注意すべき語句に下線を引いています。こうしたヒントを参考に学習することで、重要語句を見つける力が自然にアップします。
- ◆解説はまず結論から
- 各解説の最初に結論、その後詳しい解説を掲載していますので、わかりやすくスピーディに解き進めることができます。また、誤りの選択肢については、誤っている部分と正解肢にするために修正すべき内容を明記しました。
- ◆項目ごとに『基本テキスト』へのリンクつき
- 問題を解いたらすぐにテキストに戻れます。
2024年度版『わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS(プラス)』
持ち運びに便利な4分冊でどこでも手軽に実践演習。
《わかうか》シリーズ年度別12年過去問集!
年度別で12年分の本試験問題を収録した『わかって合格る宅建士 過去問12年PLUS』。『基本テキスト』や『分野別過去問題集』、『一問一答セレクト1000』で実力を高めた後は、本書の出番です。
本書の目的は、本試験に沿った形で実践演習し、本番の問題に対応できるようになることです。問題2冊・解答2冊の4分冊ですので、時と場所を選ばずに学習できます。
【本書の特長】
- ◆本試験12年分をまるごと収録
- 平成24年度から令和5年度まで、12年分・全14回の本試験問題を収録しています。
- ◆統計対策も万全
- 12年分のすべての統計問題は、最新データを反映し、Webダウンロードサービスでご提供します。
- ◆持ち運びに便利な4分冊
- 学習される方の負担を考え、問題2冊・解答2冊の4分冊にしました。取り外せば半分の分量になります。
- ◆法改正にもしっかり対応
- 最新の法改正にもとづき、問題にはしっかりと改題を施しています。もちろん解説も法改正対応です。
- ◆問題文はすべて見開き内
- 「問題文の続きを読む」ためにページをめくる必要がないため、「問題を解く」ことに集中できます。
- ◆解説では問題ごとに重要度
- 〔確実に正解〕〔踏ん張り所〕〔気にしない〕という3種類のアイコンで、「合格のためにはどの問題を正解すべきか」がわかります。
- ◆分野ごとの「出題項目一覧表」
- 過去12年間の出題頻度がまるわかりです。
- ◆各問題の解説に『基本テキスト』へのリンクつき
- 問題を解いたらすぐにテキストに戻れます。
2024年度版『わかって合格る宅建士 過去問セレクト予想模試』
「頻出&重要」+「2024年度出題予想論点」の過去問のみで構成!
《わかうか》シリーズ模試型予想問題集!
「頻出&重要」+「2024年度出題予想論点」の過去問による予想模試7回分と令和5年度の最新本試験1回分の全8回分を収録した『わかって合格る宅建士 過去問セレクト予想模試』。 本書の予想模試は、「平成2(1990)年度から令和4(2022)年度まで、過去33年間の本試験から厳選」「各回の全50問は本試験出題形式に沿った形」「近年の合格基準点にあわせた3段階」で構成。 問題2冊・解答2冊の4分冊ですので、時と場所を選ばずに学習できます。
【本書の特長】
- ◆全8回分を収録
- 「厳選良問が解ける」「本試験形式で解ける」「出題予想論点が解ける」の3つの特長を備えた、厳選過去問による、予想模試7回分と最新本試験1回分に挑戦できます。
- ◆持ち運びに便利な4分冊
- 学習される方の負担を考え、問題2冊・解答2冊の4分冊にしました。
- ◆問題文はすべて見開き内
- 「問題文の続きを読む」ためにページをめくる必要がないため、「問題を解く」ことに集中できます。
- ◆解説はまず結論から
- 解説の最初に結論、その後詳しい解説を掲載しているため、重要ポイントがまるわかりです。
- ◆問題ごとに難易度&出題年度
- 解説内に問題の難易度と出題年度を記載。ぜひ参考にしてください。
- ◆『基本テキスト』へのリンクつき
- 問題を解いたらすぐにテキストに戻れます。
- ◆解答用紙Webダウンロードサービス付き
- 「本試験サイズ模試&本試験」+「本物そっくり解答用紙」をWebダウンロードサービスでご提供。より臨場感を体験しながら学習が可能です。
▼わかって合格るシリーズなら短期間でもしっかり学べる!