行政書士

よくあるご質問Q&A

学習法など

試験要項(試験日・受験資格等)を教えてください。
試験要項(試験日・受験資格等)は下記の通りです。
試験日 例年11月第2週の日曜日に実施 ※2012年度は11月11日(日)に実施
試験時間 例年午後1時から午後4時まで
願書配布期間・受験申込受付期間 例年8月上旬~9月上旬
受験資格 特になし(どなたでも受験できます)
合格発表 例年試験日の翌年1月下旬に発表 ※2012年度は2013年1月28日(月)に発表
受験者数・合格者数・合格率を教えてください。
平成24年度行政書士試験の結果は下記の通りです。詳しくはこちら
試験結果データ (カッコ内は昨年度データ)
申込者数  75,817名(83,543名) 昨年比 - 7,726名
受験者数  59,948名(66,297名) 昨年比 - 6,349名
合格者数  5,508名(5,337名)  昨年比 + 171名
合格率   9.19%(8.05%)
合格基準を教えてください。
下記の要件をいずれも満たした受験生が合格となります。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」科目の
得点が満点の50%以上である者
法令等の得点が、244点50%にあたる122点以上であること
「行政書士の業務に関連する一般知識等」
科目の得点が満点の40%以上である者
一般知識等の得点が、56点40%にあたる24点以上であること
試験全体の得点が、満点の60%以上である者 試験全体の得点が、300点60%にあたる180点以上であること
私は初学者ですが合格できるでしょうか?
十分合格可能です。また、独学者応援サイトの「無敵クラブ」があり、初学者でも安心して学習できます。
どれくらいの時間勉強すれば合格できるでしょうか?
行政書士試験に合格するために必要とされる学習時間は、一般的に800時間ほどといわれています。
仮に8ヶ月で合格しようとするならば、1ヶ月100時間の勉強時間を確保しなければなりません。そうすると、1日約3時間の勉強時間をどう捻出するかを考える必要があります。
仕事をしながら合格をすることは可能でしょうか?
可能です。毎年たくさんの方が仕事をしながら学習をし、実際に合格しています。
独学で学習を続けられるか不安なのですが大丈夫ですか?
合格後の自分のビジョンを思い描いて絶対に合格するという強い気持ちがあれば大丈夫です。また、本独学者応援サイトの「無敵クラブ」では、独学者の全面サポートも行っています。独学道場の書籍とDVDだけで、合格に必要な知識を吸収することができます。また、Webで「無敵の予想大会」を配信いたしますし、公開模試は通信で添削いたします。
行政書士の仕事はどのようなものですか?
(1)「官公署に提出する書類」(農地法転用許可書、外国人在留資格認定書、建設業許可書など)の作成とその代理、相談業務 (2)「権利義務に関する書類」(会社設立関連書類、遺産分割協議書、各種契約書など)の作成とその代理、相談業務 (3)「事実証明に関する書類」(実地調査に基づく各種図面類、会計帳簿など)の作成とその代理、相談業務 など多岐にわたります。
TACで独学道場というものをみかけたのですが独学道場ってなんですか?
忙しい中でも、マイペースで確実に勉強を進めていくことを可能にしたのが、「行政書士 独学道場」です。独学道場は、定評あるTACの書籍と、看板講師による講座DVDを使用して、論点をマスターしていく、まさに「いいとこどり」のセットです。
学説問題の解き方について教えてください。
学説問題は、国語力で解ける問題も多いですので、苦手意識を持たずじっくりと取り組むことが大切です。ただし、法律独特の言い回しがあり判断がつきにくいところもあるので、学説問題の演習を重ねる際に読解力で解けなかったところを覚えておくようにしましょう。また、判例・通説の根拠をおさえておくと解きやすくなります。
記述式問題では40字程度とありますが、何字くらいが良いのですか。
配点されるであろうキーワードを過不足なく書くとすると、35字から45字が理想であると考えます。

公法系

【憲法】13条によって憲法上保障されるのは、「人格的生存に不可欠な権利」のみであるという見解がありますが、例えば、「喫煙の自由」など、人格的生存に不可欠であるとはいえない権利に対しては、まったく無限定に制約が許されてしまうのでしょうか?
13条により包摂されず憲法上保障されないと考えられる権利に対する制約についても、無限定に許されるわけではありません。法の一般原則である平等原則や比例原則による統制に付されます。平等原則というのは、文字通り法の内容や適用が平等でなければならないとするもので、比例原則というものは、目的と手段の均衡が保たれていなければならないとするものです。
【憲法】苫米地事件判決(最大判昭和35年6月8日)は、ある国家行為が「法律上の争訟」に該当するとしても、それが高度の政治性を有する故に司法審査の対象とはならないという統治行為論を採用したといわれていますが、日米安保条約に対する司法審査を否定した砂川事件判決(最大判昭和34年12月16日)も統治行為論を採用したものといえるのではないですか?
砂川事件判決を読んでみると、「一見極めて明白に違憲無効と認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外」とし、一定の場合に条約が司法審査の対象になることを認めています。このことから、砂川事件判決は、純粋な統治行為論を採用したものではないといわれています。
【憲法】違憲審査基準はどのようにして定まるのですか?
まず、「重要な権利に対する強力な制限である場合は、厳格審査基準を採用する」という定式があります。これは、(1)問題となっている行為が憲法上保障されるか、保障されるとしてどの程度か(保障の有無、程度の問題)、(2)制約はあるか、如何なる程度か、如何なる態様に基づくものか(制約の有無、程度、態様の問題)、という点から基本的な違憲審査基準の方向性を定めるものです。さらに、これに付加して(3)立法裁量の有無・程度を考慮します。これらの要素を合わせて、違憲審査基準を設定します。
【憲法】違憲審査基準の設定過程がわかる判決はありますか?
違憲審査基準の設定過程がわかるのは、薬事法違憲判決(最大判昭和50年4月30日)です。同判決は、まず、職業選択の自由について「職業は、…個人の人格的価値とも不可分の関連を有するものである。」として、問題となっている権利の重要性について説示した一方、「職業は、…その性質上、社会的相互関連性が大きいものであるから、職業の自由は、それ以外の憲法の保障する自由、殊にいわゆる精神的自由に比較して、公権力による規制の要請がつよ」いとして、職業選択の自由に対する制約の必要性に言及し、職業選択の自由に対する制約の許容性の判断は比較衡量によることを説示しています。そして、「一般に許可制は、単なる職業活動の内容及び態様に対する規制を超えて、狭義における職業の選択の自由そのものに制約を課するもので、職業の自由に対する強力な制限である」として制約の強さに言及し、その合憲性を肯定しうるためには、原則として、重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要」するとして、比較衡量の中で(1)目的の重要性と(2)手段の必要性・合理性を要求します。そして、「それが…自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置である場合には、許可制に比べて職業の自由に対するよりゆるやかな制限である職業活動の内容及び態様に対する規制によっては右の目的を十分に達成することができないと認められることを要する」として、(2)に関して手段の最小限度性を要求しています。最後のカギ括弧のところは、立法裁量について述べたものです。
【憲法】在外国民選挙権制限違憲判決(最判平成17年9月14日)と、在宅投票制度廃止違憲訴訟(最判昭和60年11月21日)は、それぞれの憲法判断において、ともに選挙権が問題となっているのにもかかわらず、判断が異なるのはなぜですか?
まず、憲法判断においては、その事案が「権利」に関するものなのか、「制度」に関するものなのかを考えなくてはなりません。権利保障の有無に対する憲法判断と、制度設計に関する憲法判断では、必然的に後者の方が緩くなるからです。これは、制度設計は裁判所の責務ではなく、民主的正当性を有する国会の判断にゆだねるべき性質のものだからです。在外国民選挙権制限違憲判決の事案は、在外国民には一切選挙権が保障されていない事案でした。これは「権利」に関するものです。一方、在宅投票制度廃止違憲訴訟の事案は、投票困難な者たちにも一応選挙権自体は保証されており(したがって、選挙権は間接的にしか問題とならない)、あくまでも、選挙権をどう行使させるかという「制度」に関するものです。そして、選挙制度は「法律でこれを定める」(47条)となっていますから、制度設計に関する立法裁量が広いのです。このような理由から判断が異なります。
【憲法】二重の基準論とは何ですか?
二重の基準論とは、精神的自由権に対する制約の違憲審査よりも、経済的自由権に対する制約の違憲審査を緩やかに行うというものです。二重の基準論の根拠についてはさまざまいわれていますが、一般的には(1)精神的自由権の優越性、(2)精神的自由権の回復困難性、(3)精神的自由権に対する制約について司法判断が容易であることがあげられています。
【憲法】規制目的二分論とは何ですか?
経済的自由権に対する制約の目的によって違憲審査基準を変化させようというものです。消極目的規制(人の生命身体の保護等を目的とする規制)は厳格に、積極目的規制(経済的弱者の保護等を目的とする規制)は緩やかに審査します。ただし、裁判所は規制目的二分論を採っているかはわかりません。立法裁量を尊重できるか否かによって判断しているといえるでしょう(例えば、酒類販売免許制事件判決(最判平成4年12月15日))。
【憲法】公衆浴場の距離制限規制に関する一連の判例は、規制目的のとらえ方が違うように思われるのですが、なぜですか?
これは、自家風呂の普及率が大きく関係しています昭和30年1月26日最高裁判所大法廷判決が出た当時は、自家風呂の普及率は低く、公衆浴場は国民生活に不可欠のものであったため、その濫立とそれに伴う過当競争による衛生の低下を防止することが目的ととらえられました(消極目的)。一方、その後自家風呂が普及し、平成元年1月20日最高裁判所第二小法廷判決が出た当時は既存の公衆浴場業者が倒産することを防止することが目的ととらえられました(積極目的)。そして、平成元年3月7日最高裁判所第三小法廷判決では、消極目的と積極目的双方の観点から憲法22条1項に違反しないと判断しています。このように、公衆浴場を巡る社会情勢が変化したことが、裁判所の目的に関する判断が変化した理由といわれています。
【憲法】法人と外国人とでは、人権享有主体性が認められる範囲に違いがありますか。
法人の人権保障は、権利の性質上可能な限り認められます(最大判昭和45年6月24日)。一方、外国人の人権保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き認められます(最大判昭和53年10月4日)。このように言い回しに若干の違いがあり、外国人の人権保障のほうがより広く認められています。この理由として、外国人も自然人であること、法人の活動は社会的影響力が大きいことが挙げられます。
【憲法】私人間効力につき直接適用説に立たなければ、憲法の人権規定が直接適用されることはありませんか。
間接適用説に立ったとしても、条文の趣旨などから、15条4項、18条、28条は直接適用されると解されています。
【憲法】目黒社会保険事務所事件(最判平成24年12月7日)は猿払事件(最大判昭和49年11月6日)と異なる判断枠組みを採っていますが、判例変更をしたとみるべきですか。
目黒社会保険事務所事件は「当該公務員につき、指揮命令や指導監督等を通じて他の職員の職務の遂行に一定の影響を及ぼし得る地位(管理職的地位)の有無、職務の内容や権限における裁量の有無、当該行為につき、勤務時間の内外、国ないし職場の施設の利用の有無、公務員の地位の利用の有無、公務員により組織される団体の活動としての性格の有無、公務員による行為と直接認識され得る態様の有無、行政の中立的運営と直接相反する目的や内容の有無等が考慮の対象となる」としている点で、猿払事件と判断枠組みを異にしています。
 しかし、目黒社会保険事務所事件は最高裁判所小法廷判決であることから、判例変更ではありません(裁判所法10条3号)。猿払事件は一般的抽象的な基準を示したものではなく、猿払事件と判断枠組みが異なったのは事案の違いによるものであると説明されています(補足意見参照)。
【憲法】空知太神社事件(最大判平成22年1月20日)が目的効果基準を用いていないのはなぜですか。
目的効果基準は国等の特定行為が問題となるときに用いられるところ、本件では市が市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供しているという行為の集積(≒状態)が問題となっていたからだとする見解があります。
【行政法】法定代理と授権代理、委任と「代決・専決」の違いを教えてください。
まず、権限の所在の違いを押さえます。委任は権限の所在が変わるのに対し、法定代理と授権代理は権限の所在が変わりません。権限の所在が変わらないということは、法律の根拠は不要なのが原則です。しかし、法定代理は法律の定めるところにしたがって代理関係が生じるものなので、これには法律の根拠が必要ということになります。一方、権限が移る範囲は、法定代理以外はすべて一部ということになります。代決・専決は補助機関が代わりに意思表示をするだけなので、権限の所在は変わらず、法律の根拠は不要です。
【行政法】公定力の根拠は何ですか?
大日本帝国憲法は国家無答責の原則を採用しており、それが公定力の根拠であるといわれていました。しかし、今はその論拠が採られることはなく、専ら、行政事件訴訟法で取消訴訟が法定されているので、取り消されるまでは一応有効である、という論拠が採られています。
【行政法】取消しと撤回の違いを教えてください。
取消しは、行政行為の成立時に瑕疵があることを理由に、効果を遡及的に消滅させるものです。撤回は、成立時には瑕疵が無かったが、後発的に瑕疵が発生した場合に、効果を将来に向かって消滅させるものです。
【行政法】裁量統制の種類について教えてください。
裁量統制は、(1)結果に着目するもの(比例原則違反、平等原則違反など)、(2)判断過程に着目するもの(判断過程統制)、(3)手続統制に分けられます。
例として(1)は、マクリーン事件(最大判昭和53年10月4日)、(2)は、エホバの証人剣道受講拒否事件(最判平成8年3月8日)、(3)は、個人タクシー事件(最判昭和46年10月28日)などがあります。
【行政法】行政上の強制措置それぞれについて教えてください。
まず、行政上の強制措置には、行政強制と行政罰の2種類があります。そして、行政強制の中には、義務の不履行を前提とするもの(行政上の強制執行)と前提としないもの(即時強制)があります。前者の中には、代替的作為義務の不履行に対して代執行、金銭納付義務の不履行に対して強制徴収、非代替的作為義務の不履行に対して金銭を課し、心理的圧迫を加えることで間接的に履行を促す執行罰、義務の不履行に対して直接身体や財産に強制を加えて義務が履行されたのと同一の状態を実現する直接強制があります。一方、行政罰の中には、刑事法の適用を受ける行政刑罰、義務違反に対する過料としての秩序罰があります。
【行政法】処分性の有無を判断させる問題が出たときの判断方法を教えてください。
行政処分の定義は、(1)公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、(2)その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものとされています。あくまでも参考程度ですが、(1)は、問題となっている行政行為が一方的に行われているかという点から判断します。(2)についてはさまざまありますが、行政行為の効果が個人に向けられているものなのかということや、効果の具体性、紛争の成熟性等の観点から判断します。個別に判例を見て、どのような観点から処分性の有無を判断しているのかを調べておいてください。
【行政法】無効等確認訴訟(行政事件訴訟法36条)の原告適格は、取消訴訟の原告適格の規定を準用せずに、独自に定められていますが、この規定の構造について教えてください。
無効等確認訴訟は、「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者(A)その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者(B)で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達成することができないもの(C)」が提起できるとされています。ここで、この規定の読み方について見解が分かれており、「AとB両方にCがかかる」とする見解と、「AにはCはかからず、Bにのみかかる」とする見解があります。判例は、後者の見解を採用しています。これにより、「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」と、「(その他)当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達成することができないもの」が、無効等確認訴訟を提起できることになります。前者を予防訴訟、後者を補充訴訟といいます。
【行政法】行政代執行法1条は「行政上の義務の履行確保に関しては、別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる。」としているのに対し、同法2条は「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。)」としています。条例によって定めることができる対象がよくわかりません。
同法1条は、代執行を含めた行政上の強制執行の手続について定めた規定です。これは、同法2条と違いカッコ書がついていないため、条例による執行手続(代執行法の手続よりも簡易な手続など)を定めることはできません。
 一方、同法2条が「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。)」を根拠として求めているのは、強制執行の前提となる代替的作為義務の設定(代執行の手続の1要件)です。これについては法律の委任に基づき条例で定めることができます。
【行政法】行政代執行の対象たる代替的作為義務の設定の根拠として、行政代執行法2条は「法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。)」と規定しています。このうち、条例についても法律の委任を要するのですか。
文言からして、条例についても法律の委任を要するものの、地方自治法14条に基づく一般的委任で足りると考えられています。もっとも、「法律の委任に基く」は条例にかからないとの考え方も有力です。
【行政法】行政代執行法の定める手続を踏まなかった場合でも違法とならない余地はありますか。
最決平成14年9月30日は、相手が路上生活者であって通路を不法に占拠していた者であり、行政代執行の手続を採ってもその実効性が期し難かった場合には違法とならないとしています。また、最判平成3年3月8日は、干潮時に航行する漁船等にとって極めて危険な状況が生じていたのに、係留杭の除却命令権限を有する県知事の至急撤去の指示にもかかわらず、設置者が撤去しようとしなかった場合には、民法720条の法意に照らして違法性が阻却されるとしています。
【行政法】不服申立適格者である「不服がある者」(行審法4条1項)と、処分取消訴訟の原告を有するのは「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)は同義ですか。
いずれも、当該処分により自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいいます。
【行政法】処分取消訴訟の主な訴訟要件は何ですか。
(1)処分性(行訴法3条2項)、(2)原告適格(行訴法9条1項)、(3)狭義の訴えの利益(行訴法9条1項かっこ書)、(4)被告適格(行訴法11条)、(5)管轄裁判所(行訴法12条)、(6)審査請求前置(個別法の定めがある場合、行訴法8条1項ただし書)、(7)出訴期間(行訴法14条)です。
【行政法】処分の違法判断の基準時は処分時とされるところ(最判昭和27年1月25日)、伊方原発訴訟(最判平成4年10月29日)は現在の科学技術水準に照らし行政庁の判断に不合理な点があるかどうかを審査するとしていますが、これらは矛盾していませんか。
伊方原発訴訟も違法判断の基準時は処分時としており、処分時の事実状態をもとに審査しています。ただ、処分時の事実状態に基づき行政庁の判断に不合理な点があるかどうかを判断する基準の1つとして、現在の科学技術水準を用いることとしています。これは、原子炉は極めて高い危険性を伴うという特殊性によるものと考えられます。
【行政法】先行処分の違法が後行処分に影響を及ぼすことはありますか。
先行処分と後行処分とが同一目的を達成するために行われており、先行処分における原告への手続保障が不十分である場合などには、違法性の承継が認められます(最判平成21年12月17日)。
【行政法】処分取消訴訟(行訴法3条2項)の取消事由たる「違法」と、国賠法1条1項の「違法」は同じですか。
処分取消訴訟の取消事由たる「違法」は法令違反をいいます。
一方、法令違反があっても直ちに国賠法1条1項の「違法」があったとの評価を受けるものではなく、行政庁が、資料収集、事実認定、法令解釈をする上で、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と処分をしたと認め得るような事情がある場合に限り、国賠法1条1項の「違法」の評価を受けることになります(最判平成15年6月26日など)。
【行政法】公務員の規制権限の不行使は、国賠法1条1項の損害賠償請求の対象にはなりませんか。
判例は、規制権限の不行使が国賠法1条1項の損害賠償請求の対象となりうることを認めています(最判平成16年4月27日など)。すなわち、規制権限を行使するか否かには裁量が認められ、直ちに違法とならないものの、その権限を定めた法令の趣旨・目的や、その権限の性質に照らし、具体的事情の下において、その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは違法となります。
【行政法】国賠法2条1項に基づく損害賠償責任は無過失責任ですか。
無過失責任です(最判昭和45年8月20日)。もっとも、不可抗力による損害については責任を負いません(最判昭和50年6月26日)。

私法系

【民法】意思能力は、何歳ぐらいから備わるなどの基準はあるのですか。
一般的に小学校高学年程度には意思能力は備わるとされていますが、明確な基準はありません。個人差がありますし、契約の内容によっても異なるからです。
【民法】現存利益が良くわかりません。なぜ、生活費にあてた場合には現存利益があると判断することになるのですか。
生活費にあてた場合には当然に支出するはずであった費用を免れたという利益があると考えることができるからです。ギャンブルなどの遊興費は当然に支出するはずであったお金とはいえないから現存利益はないと考えるとわかりやすいと思います。
【民法】無過失責任とは、何ですか。
民法は、「落ち度があった場合にだけ責任を負う」という過失責任が原則です。しかし、一定の場合に、損害を被った者を救済するために、「落ち度がなくても責任を負う」という無過失責任が定められています。例えば、無権代理人の責任(117条)、工作物の所有者の責任(717条1項但書)があります。
【民法】停止条件付法律行為で、その条件が単に債務者の意思のみに係るときとはどういうときですか。
気が向いたら車を贈与するといった例があげられます。
【民法】胎児の権利能力についての二つの学説の対立の構造がよくわかりません。
不法行為に基づく損害賠償請求権、相続、遺贈に関しては、胎児は「既に生まれたものとみなす」とされています(721条、886条、965条)。この「既に生まれたものとみなす」という文言の意味について、「不法行為、相続、遺贈の時点で権利能力を有しているものとし、死産の場合には遡って権利能力がなかったことになる」と解釈する解除条件説(解除条件というのは、ある一定事由の発生により法律効果を消滅させるものです)と、「不法行為、相続、遺贈の時点では権利能力を有していないが、無事に生まれた場合に、その時点に遡って権利能力を有していたことになる」と解釈する停止条件説(停止条件というのは、ある一定事由により法律効果を発生させるものです)の対立があるのです。判例(大判昭和7年10月6日)は、停止条件説に立っています。それぞれの説からの帰結は、具体的には、胎児の出生前に母親が胎児の権利を処分できるか否かについて分かれます。解除条件説に立つと、処分できるということになり(胎児の時点ですでに権利能力が認められるから)、停止条件説に立つと、処分できないということになります(胎児の時点では権利能力を持たないため)。
【民法】成年被後見人と被保佐人と被補助人がどうしても混乱してしまいます。
成年被後見人とは、「事理を弁識する能力を欠く常況にある者」(7条)をいい、被保佐人とは、「事理を弁識する能力が著しく不十分である者」(11条)をいい、被補助人とは、「事理を弁識する能力が不十分である者」(15条1項)をいいます。文言からわかるように、成年被後見人、被保佐人、被補助人の順に行為能力が回復していくということになっています。覚え方として、被○○という部分の○○が五十音に従っていることを利用して区別してみると良いです(成年被後見人A コ、被保佐人A ホサ、被補助人A ホジョ)。
【民法】無効と取消しの区別がよくわかりません。
無効とは、読んで字のごとく、「効力が無い」ことをいい、法律行為の時点から全く効果が発生しないことをいいます。取消しとは、法律行為時まで遡って無効にさせることをいいます。「遡る」ということは、取消しまでは法律行為は有効ということになります。無効は原則として誰でも主張できますが、取消しは取消権者(120条)のみが主張できます。
【民法】時効と除斥期間の違いを教えてください。
除斥期間は、時効と異なり、(1)援(・)用が不要で、(2)効果は遡(・)及せず、(3)起算点は権利発生(・・)時であり、(4)中(・)断しません。例としては、不法行為に基づく損害賠償請求権(724条後段)があります。(1)から(4)を合わせて「塩素発生中」と覚えておきましょう。
【民法】制限行為能力者やその保護者に対する催告の効果(相当の期間内に確答しない場合)と無権代理の場合の相手方の催告の効果がよくわかりません。
基本的に、行為能力を完全に有する者に対してした催告の効果としては、追認したものとみなされ(20条1項、2項)、被保佐人、被補助人に対する催告の効果としては、追認を拒絶したものとみなされます(20条4項後段)。ただし、無権代理の場合は本人の保護の観点から追認を拒絶したものとみなされます(114条)。
【民法】「善良な管理者の注意」と「自己の財産に対するのと同一の注意」の違いは何ですか?
それぞれの違いは、まず字面で判断できます。「善良な管理者の注意」は、慎重そうなイメージがあります。「自己の財産に対するのと同一の注意」は、自分の物に対するのと同じなのですから、慎重さは少し減っているイメージです。実際にそのとおりで、「善良な管理者の注意」をする義務を負っている者は、無過失でなければ責任を負ってしまいます。一方、「自己の財産に対するのと同一の注意」をする義務を負っている者は、軽過失があっても免責されます。
【民法】占有改定で成立しない法律行為を教えてください。
不法原因給付(708条)、即時取得(192条)、質権(342条)などがあります。「戦友(占有改定)が、不法(不法原因給付)して失(質権)職(即時取得)」と覚えておきましょう。
【民法】占有移転の方法4つ(現実の引渡し、簡易の引渡し、占有改定、指図による占有移転)のイメージがうまくつかめません。
まず、現実の引渡し以外は、物の「所在」自体は動きません。逆に、物の所在自体を動かすのが現実の引渡し(182条1項)で、最もイメージがしやすいものです。一方、簡易の引渡し(182条2項)は、移転を受ける者のもとに既に物の所在自体がある場合で、占有権という観念上の権利のみを移転するものです。占有改定(183条)は、移転する者のもとに物の所在がある場合で、占有権という権利のみを移転を受ける者に移すものです。指図による占有移転(184条)は、これまでと違って登場人物が3人いる場合で、物の所在がある第三者に対して、移転をする者が、以後移転を受ける者のために占有することを指図し、移転を受ける者が承諾をすることで、占有権を移転するものです。
【民法】短期取得時効の成立にあたっては、占有者の平穏公然善意が186条1項により推定され、無過失までは推定されない一方、即時取得の成立にあたっては、無過失まで推定されるということの構造がよくわかりません。
即時取得は、動産取引の安全を図るために、占有に公信力を認め、取引による占有開始に特に強力な効果を認めたものです。取引というからには、前主(とされる無権利者)がいるわけです。そして、前主の占有は188条により、「適法に有するものと推定」されます。ということは、適法に有する者と推定されるものから取引行為によって占有移転を受けた者は、無過失であったのだろうと推定されるわけです。取引行為による占有開始か否かというのが、取得時効との一番の違いです。なお、即時取得における無過失の推定は、民事訴訟法の用語で事実上の推定とされています。
【民法】なぜ、受取証書の引換えの場合には同時履行の抗弁権が成立するのに、債権証書の引換えの場合には同時履行の抗弁権は成立しないのですか。
受取証書とは領収書など弁済を受領した旨を記載した文書(486条)のことです。一方債権証書とは、金銭消費貸借契約の借用証書など債権に関する文書(487条)のことです。債権証書の引換えの場合に同時履行の抗弁権が成立しないのは、債務者の保護としては、受取証書の交付が同時履行の関係にあれば十分であること、債権者が債権証書をなくしているような場合、同時履行を認めると不当な結果になることなどの理由が考えられます。
【民法】抵当権に基づく物上代位と、一般債権者の差押えの優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と、抵当権設定登記の先後によって決するとテキストに書いてあるのですが、これはなぜですか?
この問題は、372条が準用する304条但書で「差押え」が要求されている意味をどうとらえるかを考えることによって理解できます。登場人物を考えてみましょう。抵当権者、債務者、一般債権者の3人が考えられますね。抵当権者が「この債権(賃料債権など)には私の抵当権に基づく物上代位の効力が及ぶので、あなたは私に支払ってください。」と、債務者にいうとします。一方で、一般債権者は債権を差し押さえた後、「私が差し押さえたのだから、あなたは私に支払ってください。」と債務者にいうとします。この場面で2つの対抗関係が生まれるわけです。まずは、(1)抵当権者と一般債権者、もう一つは、(2)抵当権者と債務者です。(1)は、債務者に対する「公示」の問題です。抵当権は登記で公示される一方、一般債権者は差押命令の送達により公示します。よって、登記が差押命令の送達に先行すれば、抵当権者が勝つことになります。では、「差押え」は何のためにあるかといえば、債務者が誰に支払うべきかという(2)の関係を解決するためにあるといえます。債務者は、抵当権者が先に差押えをしてくれば、抵当権者に支払うべきだと判断がつくわけです。以上を総合すると、「差押え」は専ら債務者の二重弁済の危険を防ぐためにあり、一般債権者との関係では登記があるから、抵当権者は一般債権者に勝てるということができます。逆にいうと、差押命令の送達の前に「差押え」をする必要はないということができるのです。
【民法】連帯債務者間の絶対効事由の覚え方を教えてください。
連帯債務者の一人に対する履行の請求(434条)、更改(435条)、相殺(436条)、免除(437条)、混同(438条)、時効の完成(439条)は絶対効です。「理(履行の請求)事(時効の完成)はこう(更改)して、昆(混同)布だしのそう(相殺)めん(免除)を食べる」と覚えておきましょう。
【民法】なぜ、贈与は書面によらないと成立しないのですか。
贈与は書面によらなくても成立します。書面によらない贈与は履行の終わった部分を除いて撤回することができる(550条)ので注意してください。これは、軽率な贈与を防止するための規定です。
なお、保証契約は書面(電磁的記録)によって作成しなければ成立しません。446条2項、3項と比較しておきましょう。
【民法】BがAから借り入れをする際に、Aから保証人を求められたため、BはCと通謀して、保証契約締結の意思がないのに、Aの代理人としてCと保証契約を締結した場合、この保証契約は通謀虚偽表示により無効のため、AはCに対して保証契約の履行を求めることはできないのでしょうか。
これは、いわゆる「代理と通謀虚偽表示」の論点です。判例は、代理人には相手方と通謀して本人をだます権限はないため、この場合「代理人」は使者に過ぎないと構成します。使者に過ぎないということは、代理人に関する101条1項の適用が外れ(Bの主観は関係なくなる)、直接本人と相手方の契約と構成できます。とすると、相手方は、保証契約を締結する意思がないのに、Aに対して意思表示をしたのと同じになり、93条が類推適用され、本人が善意無過失である限り契約は有効であるとしたのです。
【民法】債権譲渡において、債務者が無留保承諾した場合、譲渡人に対抗することができた「事由」を譲受人に対して対抗できない(468条1項)とありますが、ここでいう「事由」とは、どういう意味ですか。
468条1項の「事由」は、同条2項の「事由」と同義と解されています。そして、468条2項の「事由」とは、債務者が債権譲渡によって無用の損害を被るのを防ぐために、既発生の抗弁や抗弁権の発生原因のみならず、抗弁権発生の基礎となる事由まで含む概念であると解されています。例えば、AがBに対して売買契約に基づく代金債権を有しているとします。Aがその債権をCに譲り渡しBに通知した後、Aが目的物を引き渡さなかったとします。468条2項には、「通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由」を対抗できるとありますから、Bは譲り受けたあとの債務不履行をCに対抗できないようにも思えます。しかし、「事由」を広く解することによって、債務不履行の発生の基礎となる売買契約さえ結ばれていれば、BはAの債務不履行をCに対して対抗できるわけです。468条1項は、これの裏返しです。Bが無留保承諾をした場合、債務不履行の発生の基礎となる売買契約は債権譲渡前に生じていたのですから、BはCに債務不履行も対抗できないこととなります。なお、債権の帰属の問題は467条2項の守備範囲ですから、「事由」には含まれません。
【民法】特定物の引渡債務の履行不能における債権債務関係の処理がよくわからないので教えてください。
契約締結前に全部滅失した場合は、無効になります。契約締結前に一部滅失した場合、債務者の帰責性の有無を問わず担保責任の問題になります。契約締結後に、債務者の帰責性なく履行不能になった場合は、危険負担として処理し、債務者に帰責性が認められる場合は債務不履行として処理します。
【民法】売買契約における一部他人物売主の担保責任の効果がよくわかりません。
売主の担保責任の効果は、語呂合わせでも覚えられますが、重要ですので、それぞれの意味とともに理解して覚えましょう。
 まず、解除した際、それでも買主に損害が生じた場合には、損害賠償で折り合いをつけるというものです。ですから、解除が認められる場合には原則として損害賠償請求も認められることになります(全部他人物の場合が唯一の例外)。
 一部他人物の場合及び数量不足・一部滅失の場合は、同様に考えてよいです(後者が前者を準用している)。この場合、「一部」や「不足」という言葉からして、目的物が少し無かった、あるいは足りなかった場合をいうとわかります。とすると、買主善意の場合、代金減額請求は認められそうです。悪意の場合はというと、一部他人物であることについて悪意であっても、完全な権利移転を期待するはずで、これが実現できなかった場合は代金減額請求で折り合いをつけることになります。一方、数量不足・ 一部滅失について悪意だと、その数量・部分が契約の内容になっているといえるので、代金減額請求はできないといえます。また、解除する場合には「残存する部分のみでは買主がこれを買い受けなかったであろう」という事情が必要になるのは当然です。悪意の場合は要素性を要求することはそもそもできないので(契約自体締結しない)、それでも契約を締結した買主に解除権を認める必要はないことになります。
【民法】売買契約における全部他人物売主の担保責任の効果がよくわかりません。
目的物が全部他人物であった場合、善意の買主は権利を全く取得できないので、解除及び損害賠償請求は認められるでしょう。この場合、契約を締結した意味がないので、解除に「残存する部分のみでは買主がこれを買い受けなかったであろう」事情は要求されません。買主悪意の場合も同様と考えられますが、全部他人物であることを知って契約を締結した以上、解除による契約の巻き戻し以上に損害賠償を認める必要はないので、これは認められません。
【民法】契約の効果を考えるにあたって、心裡留保や代理などの制度の位置関係がわからず、いつも混乱してしまいます。
契約の効果が発生するためには、(1)成立要件、(2)有効要件、(3)効果帰属要件、(4)効力発生要件の4つが必要になります。(1)成立要件は、意思表示が合致しているか否かという観点から検討します。(2)有効要件は、客観的有効要件(実現可能性があるか、確定しているか、適法か、社会的妥当性があるか)と主観的有効要件(表示に合致する意思があるか、心裡留保や虚偽表示、詐欺はここに当たります)の2つの観点から検討します。(3)効果帰属要件は、代理の問題です。(4)効力発生要件は、条件が成就しているか、期限が到来しているかという観点から検討します。インプットやアウトプットの際、どこが問題になるのか意識すると、理解が深まると思います。
【民法】567条の非占有担保物権が付着していた場合の売主の担保責任の効果がよくわかりません。
非占有担保物権が付着していた場合は、全部他人物の場合と似ています。担保権の行使によって買主が権利を失った場合です。これは、契約締結後に買主の権利が全部失われた場合なので、全部他人物の場合と効果を同じくしています。ただし、悪意の買主であっても、担保物権が実行されないこと(つまり目的となっている債権の弁済)を期待して買い受けるはずですから、この期待を保護するために損害賠償請求まで認められています。全部他人物の場合も買主は権利移転への期待を有しているといえますが、非占有担保物権が付着している場合と比べると、前者の期待は「権利の移転」自体に向けられたものであるのに対し、後者の期待は「(担保物権の目的となっている)債権の弁済」への期待であり、後者の方が売主にとって容易であることから、より買主を保護しようということで、損害賠償請求も認められます。
【民法】566条の用益物権や占有担保物権が付着している場合の売主の担保責任がよくわかりません。
用益物権や占有担保物権が付着している場合は、土地などを買い受けたとしても、先客がいるために全く使用できません。物に対する権利は使用・収益・処分ですが、このうち、使用と収益の一部が制限されています。ここで、買主が契約を締結する目的は使用収益に限られているわけではなく、処分も十分あり得ます(転売など)。ですから、契約を解除するには「契約をした目的を達成できないとき」という要件が必要になります。一方、買主が悪意の場合、そのような制限を十分認識したうえで買い受けているのですから、解除を認める必要がありません。なお、瑕疵担保責任は、用益物権や占有担保物権が付着している場合と同様です。
【民法】転用物訴権の論点について教えてください。
YがMに建物を賃貸し、Mはその修繕をXに請け負わせたのち、Mが倒産し無資力になったとします。Yが賃貸借契約を解除して建物の占有を回復した時、XのYに対する不当利得返還請求は認められるでしょうか。転用物訴権の論点も結局不当利得の問題なので、「利得に法律上の原因があるかないか」で判断します。判例は、「賃貸借契約を全体としてみて、賃貸人が対価関係無しに利得を受けた」時に不当利得返還請求が認められます。通常の必要費を賃借人負担とする特約があった場合、対価関係はないように思えますが、例えば、敷金の差し入れを免除した場合や賃料が時価相当額より安い場合などは、「費用負担しない代わりに、敷金は受け取らない」という対価関係があるといえます。
【民法】「諾成契約」、「要物契約」とは、何ですか? 「要式契約」についても教えてください。
諾成契約と要物契約の違いは、「契約が成立するのに物の授受が必要か、それとも、意思表示だけで足りるか」という区別から生じます。この区別は、条文を見ればわかります。例えば、555条には、「売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」とあります。「…約し、…約することによって、その効力を生ずる。」となっていますから、売買契約は意思表示だけで効力を生ずる諾成契約であることがわかります。一方、587条には、「消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。」とあります。「…約して…受け取ることによって、その効力を生ずる。」となっていますから、消費貸借契約は意思表示だけでは効力を生じず、金銭その他の目的物の授受があって初めて効力を生じる要物契約であることがわかります。いろいろな契約の条文を見て、どちらにあたるのかを考えてみてください。
また、要式契約というのは、契約の効力が発生するのに一定の形式を要求している契約のことをいいます。446条2項には、「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」とあり、保証契約は要式契約であることがわかります。
【民法】なぜ、使用貸借は賃貸借と違って、借主の死亡(599条)により終了するのですか。
使用貸借契約は、「タダで貸してあげる」契約なので、当事者の信頼関係(特に、貸主の借主に対する信頼)が重視される契約類型です。賃貸借契約でも、当然当事者間の信頼関係は重視されますが(信頼関係破壊の法理など)、使用貸借は無償片務契約なので、よりその傾向が顕著です。そして、当事者間の信頼関係は一身専属的なものなので、相続にはなじみません。ですから、借主の死亡によって終了するのです。
【会社法】公開会社と非公開会社のわかりやすい説明をお願いします。
公開会社とは、全ての株式が譲渡制限株式ではない会社(つまり、1株でも譲渡制限株式ではない株式がある会社)で、非公開会社は、全ての株式が譲渡制限株式である会社のことです(会社法2条5号)。
【会社法】なぜ負債の部の合計額が200億円以上という借金まみれの会社が大会社なのですか。
銀行などから、200億円以上もの借金(負債)ができるということは大きな会社でないと無理だからです。200億円もの大金を動かせるのですから大きな会社であると覚えておきましょう(会社法2条6号)。
【会社法】定款の記載事項の絶対的記載事項・相対的記載事項・変態設立事項・任意的記載事項の説明をお願いします。
絶対的記載事項とは、目的や商号など定款に記載しなければ定款自体が無効となる事項のことです(会社法27条)。
相対的記載事項とは、公告方法など定款自体は無効とならないが、記載しなければその記載事項の効力が認められない事項です。
変態設立事項とは相対的記載事項の一つです、定款に記載しなければその効力を生じません。現物出資・財産引受け・発起人の報酬・設立費用などがあります(会社法28条)。
任意的記載事項とは、定時株主総会の招集時期など定款は無効とならず記載がなくともその記載事項の効力は認められる事項です。
【会社法】定款に公証人の認証がいる場合を教えてください。
株式会社を設立する場合です(会社法30条1項)。成立後定款を変更した場合には改めて公証人の認証を得ることは不要です。なお、持分会社の設立、特例有限会社の移行による設立、組織再編等による設立の場合も不要です。
【会社法】種類株式発行会社って何ですか。
剰余金の配当など内容の異なる2以上の種類の株式を発行する株式会社のことをいいます(会社法2条13号)。なお、どのような内容の株式も発行していいわけではなく、108条1項各号の事項についてのみ内容の異なる株式を発行できます。
【会社法】公開会社において、定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の4倍を超えることができないとありますが具体的にはどういうことですか。
発行済株式の総数を250株としますと、発行可能株式総数は1000株を超えて発行できない(1001株を発行することはできない)ということです(会社法113条3項)。
【会社法】新株予約権とは何ですか。
新株予約権は、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利のことをいいます(会社法2条21号)。つまり、新株予約権を取得しただけでは依然として株主ではなく、新株予約権を行使して初めて株式を取得して株主となることができるのです。あらかじめ決められた新株予約権を行使する際に必要となる価格が株式の時価を下回っている場合に新株予約権者は利益を受けることになります。
 なお、新株予約権自体の発行は無償でも有償でも良いものとされています(会社法238条1項2号)。
【会社法】選任・選定、解任・解職の違いってあるのですか。
不特定多数の中から選んだり、辞めさせたりすることを選任・解任、限定された人数の中から選んだり、辞めさせたりすることを選定・解職と呼んでいます。例えば取締役は選任・解任(会社法329条、339条)、代表取締役は選定・解職(会社法362条2項3号)となります。
【会社法】会計監査人は役員ではないのですか。
会計監査人は役員ではありません。役員とは、取締役、会計参与及び監査役をいいます(会社法329条)。そのため、会計監査人には権利義務の規定などが適用されなかったりするので注意しましょう。なお、役員等には会計監査人を含みます。
【会社法】累積投票って何ですか。
株主総会で2人以上の取締役を選任する場合に、株式1株につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有するものとし、それらの議決権を取締役1人のみに投票し、又は2人以上に投票して、行使することができるとする制度のことです(会社法342条)。なお、試験では累積投票で選任した取締役の解任決議は株主総会の特別決議を要するという点に注意しておくと良いでしょう。
【会社法】権利義務取締役って何ですか。
法令又は定款で定めた取締役の人数を欠いた場合、任期満了又は辞任により退任した取締役は新たな取締役が就任するまでなお権利義務を有します(会社法346条1項)。この取締役を権利義務取締役と呼びます。
【会社法】会計限定監査役とは何ですか?
監査役には、業務監査権と会計監査権の二つがありますが、会計限定監査役とは、このうちの業務監査権のない監査役のことです。会計限定監査役は通常の監査役に比べ権限が制限されていますので注意しましょう(会社法389条7項)。なお、監査役の監査権を会計に限定できる会社は、監査役会及び会計監査人設置会社を除く公開会社ではない会社です(会社法389条1項)。
【会社法】会計帳簿と計算書類の違いを教えてください。
会計帳簿とは、計算書類の基礎となるもので、会計取引を日々記録していくものです。仕訳帳・総勘定元帳などのことを指します。
 計算書類とは、投資家・会社債権者などに会社の経営状況を報告するために、決算書として作成しなければならないものです。貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表などのことを指します(会社法435条2項、計算規則59条1項)。
【会社法】持分会社って何ですか。
持分会社とは、合名会社、合資会社又は合同会社のことをいいます(会社法575条1項)。株式会社は、株主が会社を実質的に所有し取締役等が経営を行うというように所有と経営が分離されているのに対して、持分会社は、構成員である社員一人一人が一つの持分を持ち所有と経営が分離されていません。なお、合名会社は無限責任社員、合資会社は無限責任社員と有限責任社員、合同会社は有限責任社員で構成されます。
【会社法】事業譲渡と会社分割の違いを教えてください。
事業譲渡は、事業を取引行為によって他の会社に承継させる(特定承継)ことをいうのに対して、会社分割は事業に関する権利義務の一部又は全部を他の会社に承継させる(包括承継)ことをいいます。事業譲渡では、事業に関する債務・契約上の地位を移転させるためには個別に契約の相手方の同意を得る必要があります。
【会社法】公告方法の時事に関する日刊新聞紙とはどのようなものですか。
毎日刊行される新聞のことをいいます。全国紙に限られず、ブロック紙、都道府県の地方紙でもかまいません。ただし、時事に関するものなのでスポーツ新聞などは含まれません。また、英字新聞単独でもだめです。
【会社法】会社の代表取締役の退任および代表権喪失は、その旨を登記することによって善意の第三者に対抗できないのですか。
原則として、対抗できます。しかし、正当な事由によって登記があることを知らなかった善意の第三者には対抗できません(会社法908条1項)。
【商法】絶対的商行為をした者は必ず商人なのですか。
(固有の)商人とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者のことをいいます(商法4条1項)。絶対的商行為とは、営業的商行為と異なり営業目的で反復・継続してなさなくとも当然に商行為となるもののことです。したがって絶対的商行為をしたとしても当然には商人とは呼びません。なお、商人には固有の商人と擬制商人があり、擬制商人は、店舗などで物品を販売することを業とする者、鉱業を営む者のことです。
【商法】商号はどのようなものでもいいのですか。
文字で記載することができ、かつ呼称できるものでなければなりません。
【商法】複数の営業を行う場合にも商号は1個に限られるのですか。
自然人が複数の営業を営む場合には、各営業につきそれぞれ別個の商号を有することができます。一方会社が複数の営業を営む場合には、商号は1個に限られます。
【商法】株式会社が○○合同会社などと商号登記をすることはできるのですか。
できません。他の種類の会社と誤認されるおそれのある文字を用いてはならないのです(会社法6条3項)。
【商法】なぜ名板貸人が名板借人と連帯して責任を負う債務には、債務不履行によって生じた債務は含まれるのに対して、不法行為によって生じた債務が含まれないのですか。
名板貸人が名板借人と連帯して責任を負う債務は、取引によって生じた債務だからです(商法14条)。債務不履行による損害賠償債務は、本来の取引上の債務が転化したものといえますが、不法行為によって生じた債務は、本来の取引上の債務が転化したものとはいえないからです。
【商法】商号だけを譲渡することはどうやってもできないのですか。
商人の商号は、営業とともにする場合または営業を廃止する場合に限り、譲渡することができます(商法15条1項)。そのため、商号だけを譲渡することはできません。なお、商号を廃止した後ならば、同一場所で同じ商号を登記することも可能です。
【商法】商人の営業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人とはどのような人をいうのですか。
一般的に、部長や課長などのことをいいます。
【商法】支配人、代理商の具体的な説明をお願いします。
まず、会社の支配人は、会社と雇用契約を結び企業内で会社を補助する商業使用人であるということ、代理商は、会社と(準)委任契約を結び企業外で会社を代理する独立の商人であるということを理解しておきましょう。
そして、会社の支配人とは、会社に代わって本店又は支店において、その事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する者をいいます(商法21条1項、会社法11条1項)。銀行の支店長などをイメージすると良いでしょう。
一方、代理商とは、特定の商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その商人の使用人でないものをいいます(商法27条、会社法16条かっこ書)。旅行代理店などをイメージすると良いでしょう。なお、代理店が、契約まで結ぶ場合を締約代理商、契約までは結ばず、紹介だけする場合を媒介代理商といいます。
【商法】仲立人、問屋の具体的なイメージがつかめません。
仲立人とは、他人間の商行為を媒介する者のことをいいます(商法543条)。商行為を媒介するものを商事仲立人、それ以外の行為を媒介するものを民事仲立人と呼びます。商事仲立人には商人でないものを相手にホテルを斡旋し宿泊契約の締結を媒介する業者が、民事仲立人には結婚紹介所などがあります。なお、仲立人と媒介代理商の違いは、仲立人は不特定多数のために随時取引の媒介を行うのに対して、媒介代理商は、特定の商人のために継続的に取引の媒介を行う点にあります。
 問屋とは、自らが当事者となって他人のために物品の販売又は買入れをなすことを業とする者をいいます(商法551条)。具体的には証券会社などがあります。

一般知識等

【一般知識】FTAとEPAの違いを教えてください。
FTA(Free Trade Agreement)とは2国(地域)間での輸出入にかかる関税の撤廃を目的としたもので、EPA(Economic Partnership Agreement)とは2国(地域)間での人材の移動の活発化や、知的財産権の保護など、国の経済や法律全般にかかわる内容を交渉の柱としたものです。
【一般知識】TPPとは何ですか?
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とは、自由競争の妨げとなる関税や非関税障壁を撤廃し、経済的な国境をなくすことを目的とする協定です。協定項目は、自由貿易協定のすべての主要な項目です。
【一般知識】高齢化社会と高齢社会の違いを教えてください。
高齢化社会とは、高齢者(65歳以上)が総人口に占める割合(高齢化率)が7%を超える社会のことで、高齢社会とは、総人口に占める割合が14%を超える社会のことです。
 2011年10月1日現在、日本の高齢化率は23.3%となっています。
【一般知識】外国人労働者の現状について教えてください。
大きく分けて(1)就労目的外国人、(2)日系人、(3)永住者・定住者等に分類されます。このうち、(1)就労目的外国人については、専門的・技術的分野のみで働くことが許可されます。他方、(2)日系人や(3)永住者・定住者等については特に制約がなく単純労働につくこともできます。
【一般知識】廃棄物を減らすための「3R」とは何ですか?
次の通りです。
(1)発生抑制(Reduce)→廃棄物の発生量を削減。
(2)再使用(Reuse)→まだ使える廃棄物をそのまま再利用。
(3)再資源化(Recycle)→廃棄物を分解・融解して別の形で再利用。
【一般知識】個人情報について、なぜ個人情報保護法では照合の容易性が要求されているのに対して、行政機関個人情報保護法では照合の容易性は要求されていないのですか。
民間の場合、営業の自由を考慮して個人情報をある程度限定することが望ましいため、個人情報保護法では容易性を要求しているのに対し、行政機関の場合には、より厳格な個人情報保護が必要であり、保護される個人情報の範囲を広くする必要があるため行政機関個人情報保護法では、容易性を要求していないと考えられているからです。
【一般知識】Youtubeで動画を閲覧することは違法となり刑罰の対象となるのですか。
いいえ、なりません。動画投稿サイトにおいては、データをダウンロードしながら再生するという仕組みのものがあり、この場合、動画の閲覧に際して、複製(録音又は録画)が伴うことになります。しかしながら、このような複製(キャッシュ)に関しては、著作権法第47条の8(電子計算機における著作物利用に伴う複製)の規定が適用されることにより著作権侵害には該当せず、「著作権又は著作隣接権を侵害した」という要件を満たしません。
(文化庁 http://www.bunka.go.jp/chosakuken/download_qa/pdf/dl_qa_ver2.pdf
【一般知識】芸能人が選挙で芸名を使うことは許されているのですか。
はい、許されます。戸籍名に代わって芸名やペンネームなどの通称が広く通用している場合、候補者や政党が、その通称の使用を申請し、この申請が認められると立候補者名の告示や選挙公報の氏名、政見放送の氏名などに通称を使用することができます(通称使用の申請)。
(東京都選挙管理委員会 http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/qa/yougo.html
【一般知識】ES細胞とiPS細胞の違いを教えてください。
再生医療につながるあらゆる細胞に分化できる万能細胞を人工的に作り出す技術としてES細胞とiPS細胞があります。ES細胞は受精卵を壊して作られるため倫理的な批判がなされるのに対して、iPS細胞は受精卵を使用しないで作られるので倫理的な批判が少ないという特徴があります。なお、iPS細胞を研究している山中教授はノーベル賞を受賞しました。
【一般知識】DV防止法が適用されるのは配偶者の間だけなのですか。
いいえ、事実婚の男女も含むとされています。なお、身体に対する暴力のみならず言葉による脅迫も保護の対象となります。また、被害者の親族に接近することも禁止されています。
【一般知識】文章理解の問題が解けるようになるコツを教えてください。
文章理解の問題が解けるようになるためには、やはり「慣れ」が必要です。講義で教わったテクニックなど理屈ではわかっていても、成果を上げるためには実際に練習することが必要です。慣れないうちは問題を解くのにも時間がかかりますから、1問5分というように時間を区切って解くことは、テクニックを使う練習になりませんし、なかなか正解は導き出せません。ですから、まずは時間がかかってもよいので、じっくり問題を解くようにしましょう。また、文章理解の場合、問題文に書いてないことは×、書いてあることは○です。問題文に書いてあることだけを、正解を導くための根拠とするようにしてください。主観を入れないようにして問題文を読むことも、文章理解の得点を伸ばすコツです。
【基礎法学】「及び」「並びに」、「又は」「若しくは」の違いを詳しく教えてください。
「及び」「並びに」は並列的接続詞(and)として、「又は」「若しくは」は選択的接続詞(or)として扱われます。
まず、「及び」「並びに」について説明します。結合される言葉が同じ種類・レベルの語で2つの場合には「及び」を使い、同じ種類・レベルの語が3つ以上の場合には読点と最後だけ「及び」を使います。具体的には、「大根及び白菜」「大根、白菜及び茄子」という感じです。
一方、違う種類・レベルのものに対しては「並びに」を使います。「大根及び白菜並びにバナナ」という感じです。さらに、違う種類・レベルのものが三段階以上になる場合には、「大根及び白菜並びにバナナ並びにお米」というように一番小さな結合に「及び」を使いそれ以上は「並びに」を使います。
次に「又は」「若しくは」について説明します。結合される言葉が同じ種類・レベルの語で2つの場合には「又は」を使い、同じ種類・レベルの語が3つ以上の場合には読点と最後だけ「又は」を使います。具体的には、「大根又は白菜」「大根、白菜又は茄子」という感じです。
さらに、違う種類・レベルのものが二段階以上になる場合には、「大根若しくは白菜又はバナナ」「大根若しくは白菜若しくはバナナ又はお米」というように大きな選択結合に「又は」を使いそれ以下は「若しくは」を使います。
【基礎法学】「場合」、「とき」、「時」の違いを教えてください。
「場合」、「とき」は仮定的な条件を表す場合に使われます。両者を用いる場合には大きな条件を「場合」で表し、小さな条件を「とき」で表します。一方「時」は、時間や時刻が問題になる場合に使われます。
【基礎法学】強行規定・任意規定・取締規定ってどう違うのですか。
強行規定とは、公序良俗に関する規定です。強行規定に反する契約は無効となります。民法の「物権」「親族・相続」に多く見られます。
任意規定とは、公序良俗に関しない規定です。任意規定に反する契約は無効とならず有効に成立します。民法の「債権」に多く見られます。
取締規定とは、行政目的により、私法上の行為を制限する規定です。取締規定に反する契約は原則として無効とならず有効に成立します。具体例として、食品衛生法に反する食品自体の売買契約があげられます。業者が販売許可を取り消されることはあっても、売買契約は有効ということです。
【基礎法学】公訴時効が廃止されたようですが、その要点を教えてください。
2010年4月刑事訴訟法改正にともない公訴時効に以下のような変更がなされました。殺人など法定最高刑が死刑とされているものに対して、公訴時効が廃止されその他の犯罪については、おおむね今までの2倍に延長されました。
【基礎法学】罰金、科料、過料の違いについて教えてください。
原則として1万円以上を支払わせる刑罰を罰金、1千円以上1万円未満を支払わせる刑罰を科料といいます。一方過料は刑罰ではなく、行政上の罰則として金銭を支払わせることをいいます。
【基礎法学】「直ちに」、「速やかに」、「遅滞なく」の違いを教えてください。
即時性が、最も強いものが「直ちに」であり、ついで「速やかに」、さらに「遅滞なく」の順に弱まっており、「遅滞なく」は正当な又は合理的な理由による遅滞は許容されるものと解されています(大阪高判昭和37年12月10日)。
【基礎法学】法源としての慣習の具体例を教えてください。
譲渡担保、入会権などがあります。